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今、話題のオープンスポーツ新型ロードスター。カッチャオも大注目しているニューモデルだ。そこで、連載企画の人気中古車徹底解剖では、初代モデルからニューモデルまでを徹底検証。まずは、自動車評論家・石川芳雄氏による試乗インプレッションからお楽しみあれ! |
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3代目となった新型ロードスターのスリーサイズは全長3995㎜×全幅1720㎜×全高1245㎜。これは先代に対し長さで+40㎜、幅で+25㎜の拡大ということになる。 ヒラリと軽快な身のこなしを魅力とするライトウェイトスポーツの場合、ボディサイズの拡大は走りに大きな影響を与えるので気になるところ。だが新型は、設計の合理化を徹底した上、ボンネット、トランクリッド、サスペンションメンバーなど適所にアルミを用いる材料置換も行い重量増をわずか10㎏程度に抑えている。これは立派な数値だ。
スタイリングは、丸みを帯びたノーズにぽっかりと口を開けたエアインテーク、楕円形のテールランプなどでロードスターらしさを存分に感じさせる物となっている。
先代のNB型に較べると、ボディ半ばをやや絞り込んだコークボトルラインが消え、ズドンとしたボリューム感のあるフォルムとなったが、力強く張り出したフェンダーラインや、全体にやや前傾姿勢を強めたことなどでいかにも走りそうな雰囲気だ。愛着の湧く柔らかさと、走りを予感させる精悍さを両立させたこのスタイリングにより、3代目ロードスターも再び長きにわたって親しまれていくのは間違いないだろう。 ルーフはもちろん布張りのソフトトップ。左右の個別ロック式からセンターロック式に改められ、折畳みもZ型になり、トノカバーがなくてもスッキリとした見栄えのオープンボディに変身出来るようになったのは大きな進化ポイントだ。運転席に座りながらワンハンドで開閉するには相応の力と馴れが必要だが、ともかく使い勝手は格段に向上している。 室内に目を移そう。高めのセンタートンネルと、水温計を中央に置いた5眼式メーターなどに囲まれるコクピットは、相変わらずスポーツカーらしいタイトな雰囲気だ。しかしそれでいて低めのドアショルダーや、立ち気味のフロントウインドシールドのお陰で、オープンならではの開放感も存分に感じさせる。最近のオープンモデルの中には、ピラーが寝ていて満足のいく開放感を得られない物も多いが、ロードスターはこのへんが実に良く考えられている。
居住空間が大きくなったのも新型ロードスターの特長だ。レッグルームで+10㎜、ヘッドルームが+17㎜、左右座席間では+20㎜の拡大が図られた。数字にするとわずかのように感じられるが、その効能は大きい。多少座高が高い人でも頭がウインドフレームから飛び出すようなことはなくなったし、大柄な2名が乗っても肩が触れ合うような過剰なタイト感はない。
ただ、エンジンを135㎜後方に移動させてさらなるヨー慣性モーメントの低減を狙った結果、ペダルルームはタイトだ。特に右ハンドルの国内仕様は、エンジン右側に排気系を取り回すためか、ペダル全体がやや右に寄せられた感がある。もちろんそれは走り出すとすぐに馴れる程度の軽微な物だし、接近した3つのペダルはヒール&トゥがやりやすいなどスポーツドライビングではプラスとなる要素も多い。ちなみに、新型はシートスライド量が50㎜増加した上に、ステアリング調節にチルトまで加わったため、先代以上にベストなドライビングポジションが得られるようになっている。
インテリアの質感も大幅に高まった。もちろん高級車のような贅沢な造りではないが、センターコンソールに並ぶスイッチは大きいがスマートな造形だし、パネルやパーツ同士の隙間が詰まってパリッとした仕立てになっている。さらにグレードによっては金属調のパネルを随所に張り込んでおり、見栄えは確実に向上している。立体的な造形のリヤ側のパネルにシートがはめ込まれるようなスッキリとした造りにも、こうした質感の高さは感じられる。ただちょっとキッチリし過ぎていて、以前のようにシート後ろにアタッシュケースを押し込めるような適度な「隙間」も同時になくなった。小物を入れるスペースは増えているが、2名乗車の際は手持ちのバッグなどは、スペアタイヤを廃止して150Lの容量を確保したトランクに収めることになりそうだ。
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| LINE UP & PRICE |
| ROADSTER(5MT) |
220.0万円 |
| RS(6MT) |
250.0万円 |
| VS(6EC-AT) |
260.0万円 |
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※価格はメーカー希望小売価格(税込み)です
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SPEC(グレード RS) |
| 全長/全幅/全高(mm) |
3,995/1,720/1,245 |
| ホイールベース(mm) |
2,330 |
| 車両重量(kg) |
1,100 |
| 乗車定員 |
2名 |
| ミッション |
6速MT |
| エンジン |
水冷直列4気筒DOHC |
| 総排気量(cc) |
1,998 |
| 最高出力(kW(ps)/rpm) |
125(170)/6,700 |
| 最大トルク(N・m(kg・m)/rpm) |
189(19.3)/5,000 |
| タイヤサイズ |
205/45R17 |
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メータパネルを覆うアーチ型フードと円型の空調吹き出し口は、3代目にも継承。エアロボードはメッシュ構造となり、巻き込んだ風を確実に和らげてくれるので、オープン時の快適性がよりアップした |
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Z型のソフトトップはセンターロック式に変更され、使い勝手が向上。格納時は表面が上になるので、見栄えも美しい。また、リアウインド上辺に補強材が入り、高速走行時のばたつきが抑制された点にも注目したい |
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新型ロードスターに搭載されるエンジンは、マツダの新世代レシプロシリーズであるMZR型に全面変更となった。排気量は海外には1800㏄の用意もあるが、日本仕様は2000㏄に統一。ちなみにパワースペックはMT用が170ps/6700rpmだ。先代の1800㏄は160psだから、数値上の差はさほど大きくないものの、トルクは19.3㎏mと確実に太くなっているし、それぞれの発生回転数も低くなっているのが特長である。組み合わされるミッションは、グレードにより5速MT、6速MT、そして6速ATが用意される。ATが6速化されたのはイージードライブ派には大きなニュースだろう。ちなみにATのパワースペックは166psとやや低くなっている。
今回メインで試乗したのは最もスポーティーな仕様となるRS。これは6速MTにビルシュタインダンパーを用いたサスペンションが組み合わされ、タイヤもフロント205/50R16、リア205/45R17を履く。
走り出して最初に驚いたのは乗り心地の良さだ。先代もけっして粗い方ではなかったが、新型はさらにしなやかで、どっしりと重厚な感じまでも出している。これはサスペンションそのものの進化に加えて、ボディ剛性の向上が大きく効いているに違いない。
新型ロードスターはRX-8の流れを汲むプラットホームに全面変更されているが、この優れた素養をベースに、センタートンネルの上面を強固なフレーム構造とし、これをサイドメンバーとつなげることで剛性を上げるといったオープンボディ専用の造り込みが行われている。したがってしっかり感は先代の比ではない。例えば走行中にきつめのギャップに乗り上げても衝撃をドンと一度でいなし、後に変な余韻が残らない。先代はこういう場面でボディが「揉まれる」感じがあったが、それがまったく感じられないのだ。こうした剛性面の向上は全てにおいて感じられる、ペダルフィール、ステアリングの締まったタッチなども新型は隔世の感がある仕上がり。それにブレーキも強力、かつコントロール性も抜群だった。このへんはさすが「人馬一体」をキーワードに煮つめられただけのことはある。
乗り味は全体に落ち着いた大人びたものになっているが、それでいてロードスターならではの軽快さも、もちろん失われてはいない。ハンドル操作に呼応してキビキビとノースが反応する様は少しだけ薄まっているが、これは過敏さが消えて操作により素直に追従するようになったと表現した方が正解だろう。例えば、やや高めの速度でスパッとステアリングを切り込むような場面でも遅れずに素直にノーズは向きを変える。そこからアクセルを踏んで行く場合、先代までのロードスターだとリヤのスライドがいつ起こるか身構える傾向にあったが、新型はそこへ至るまでの過程がとても分かりやすく、時間的な余裕も大きく感じられる。つまり安心感がより大きくなっているのだ。これは前記したボディ剛性の向上に加え、足周りの進化を感じさせる部分。よく動くサスペンションがねっとりと路面をつかんでくれるのである。
エンジンはスペックから想像した通り、低〜中回転域のトルクが厚みを増しており扱いやすい。ただし高回転域にもうひとつの伸びとパンチがあればさらにベターだ。コントローラブルで安定感も高いシャシ性能に対して、エンジンは少し派手さが足りないのである。また、6速MTのギア設定が全体に低めなのも気になった。エンジンとシャシの絶妙なバランスこそがロードスターの魅力だが、シャシが長足の進歩を遂げた新型では、低速域からの瞬発力よりも、中速以上での伸びをもう少し味わわせてくれた方が楽しめると思うのだ。
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Photo:iZM text : Yoshio Ishikawa |
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